元日本代表の小倉隆史監督率いるFC.ISE-SHIMA(三重)が、耐え抜いてJFL昇格への権利を手にした。

快足FWイブラヒムを最前線に置くおこしやす京都ACの攻撃を前半から受けながら、最後までゴールを許さず無失点で試合終了のホイッスルを聞いた。シュート数はわずか3本。後半は防戦一方だった。それでも勝ち点5(1勝2分)の準優勝。1次ラウンドからの6試合すべて無失点という、強固な守りが強みだ。

小倉監督は「準優勝カップなんだからカップを上げるなよ」と、選手が喜ぶ姿に苦笑い。次の戦いを見据え、「得点力が課題として残りました。う~ん…。勝ちきるためには得点力が必要」。自らは「レフティー・モンスター」と呼ばれた規格外のFWだっただけに、悩ましそう。ただ6試合無失点には手応えは感じているようで「ベースの部分はしっかりあるので」と話した。

選手は、地元でスーパーや介護職に従事する勤労者たちだ。YouTubeで試合の動画配信を見てくれる地域の人たちの応援を感じているという。そんな日常の献身的な姿がそのまま、ピッチ上での「クリーンシート」にも反映している。

昇格戦の相手は、12月5日に決まるJFL16位チーム。現在16位のホンダロックSC(宮崎)か、同15位の東京武蔵野ユナイテッドFC(東京)になる。引き分けでは昇格できないだけに、ここからどう建て直すのか、小倉監督の手腕が問われそうだ。