J2降格が決まった大分トリニータの片野坂知宏監督(50)は、今季限りで退任するが、そのオーラスでで、天皇杯初優勝を飾っての「恩返し」を誓った。

7日に大分市内で練習後、オンラインで取材対応。初の決勝進出をかけたJ1王者川崎Fとの天皇杯準決勝(12日、等々力)へ、勝利したホーム最終戦を例に「J2に降格した監督なのにファンやサポーターが拍手で見送ってくれて、感謝の思いしかない。天皇杯に勝って最後恩返ししたい」と意気込んだ。

リーグ戦は、すでに降格が決まっており、メンタル的に難しい状況で、複数得点を奪い2連勝締め。天皇杯へ勢いをつけた。

ただ、天皇杯は、J2など格下相手の勝ち上がり。ここに来て、Jリーグの年間表彰で7人がベストイレブンに選出されたタレント軍団との準決勝は、大分の集大成を示す絶好の機会となった。「当たって砕けろで割り切ったプレーがジャイアントキリングを起こす要因になる」と話す。

とはいえ、チームは「天皇杯はレギュレーションで何人かの選手が出られない。そして刀根(DF)の出場停止で出れない。他の今までリーグ戦に出ていないメンバーも準備してもらわないといけないし、本当に総力戦になると思う」と逆境とも向き合う。

それでも「攻撃的なプレーができ、全体的なバランスが良くなっている。選手は自信を持った」というリーグ2連勝締めを弾みに、意地を見せる。【菊川光一】

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