11月5日に第1子となる長男を出産した、サッカー女子プロ「WEリーグ」の千葉レディースFW大滝麻未(32)が8日、産後1カ月で練習復帰を果たした。

チーム練習のアップ部分に参加して、パス交換や「鳥かご」と呼ばれるポゼッション練習メニューなどを、約20分間こなした。

練習後は取材に応じて、「1日も早く復帰できるように、サッカーをすることじゃなくて、試合に出て勝利に貢献することを目標にしている。いいところに後期のリーグの始まり(来年3月5日)があるので(復帰目標に)もっていきたいけど、何があるか分からないので焦らずにやりたい」と、今後の展望を話した。

出産に至るまで、大滝は自身のインスタグラムで、体の状態や練習メニューなどを細かく発信してきた。出産約3週間前まではチームで練習して、その後も「早く復帰したいし、妊娠しながらも好きなことを諦めたくない」と、出産前日までランニングやストレッチ、ボールを使った簡単なメニューなどを個人で続けてきた。

産後は体を動かしていなかったというが、1カ月を機にトレーニングを再開し、「意外と動くなあと、自分も驚いている」という。自宅でのトレーニングをベースに、今後は週1程度で練習場に通いながら、様子を見て練習量を増やしていくつもりだ。

国際サッカー連盟(FIFA)は、女子サッカー選手が妊娠・出産によって不利益を被らないよう、最低14週間は報酬の3分の2を受け取ることができる“産休制度”をクラブに義務づけている。WEリーグもこれを採用しているが、大滝の所属する千葉では、練習を離れた期間の給料を全額支給(=年俸からの減額なし)とすることで、出産後も現役を続けたいと願う大滝をサポートした。

大滝は「『子どもがほしい思いがある』と伝えたときからチームはポジティブに受け止めてくれて、『必要な時間を使って帰ってきてくれたらいい』と言ってもらって、励みになった。だからこそチームに早く合流したいと、妊娠中も産後もポジティブに取り組めた。当たり前ではないと思うので、産後約束された場所があるのは、本当にありがたいとあらためて感じた」と、チームのはからいに感謝した。