J2降格が決まっている大分トリニータは、前年度王者の川崎フロンターレをPK戦で下して、決勝進出を決めた。

今季限りでの退任が決まっている片野坂知宏監督(50)は、従来の3バックではなく4バックで大一番に挑み、見事結果を出した。試合後の会見では「夢のよう、ちょっと信じられない結果になった」と声を震わせた。

会見冒頭での片野坂監督の話は以下の通り。

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正直、こうやって試合が終わった後でも、自分の中で勝ち上がった実感というか、勝てた試合なんですけど、そういう感じはないんですけどね。夢のようなというか、ちょっと信じられない結果になったなと感じています。

今日の準決勝川崎F戦に向けて、我々は(DF)4枚でチャレンジしました。川崎Fさんは本当に今季素晴らしい成果を上げられて、天皇杯も優勝を目指して、優勝できる力のあるチームだと思うし、絶対王者の川崎Fさんに、我々がどういうふうに勝てるか、スタッフとともに準備して、選手はそれを信じて、粘り強くやってくれたし、(GK)高木駿のビッグセーブがなければ、勝ち上がることができなかったゲームだと思います。内容に関しても、川崎Fさんの強さはすごく迫力があって、非常に苦労しましたけど、川崎Fさんを0に抑える時間をとにかく長くしながら、ワンチャンス、ツーチャンスを狙って展開しましたけど、うまく試合を運んで、選手も疲労している中、PK戦まで戦う姿勢をもって結果を出してくれたと思います。スタッフ、選手、力を与えてくれたファン、サポーターに、心から感謝します。

川崎Fさん相手に、今日の戦い方として、攻守ともにウイークとストロングがあることを選手にも理解させて、選手もそれをしっかりと感じ取った中でやってくれたと思います。途中も「3-4-3に戻そうかな」とか、「4枚のメンバーを変えようかな」とか、試行錯誤をしながらの120分だったと思います。非常に頭も使うし、気も遣うし、疲れたゲームになりましたけど、こうして決勝に行けたことが、疲れを吹き飛ばしてくれました。サポーターの方、大分トリニータに関わるすべての方に、決勝進出の喜びを与えることができて、本当によかったと思います。決勝戦も我々らしい戦いを表現できるように1週間準備して、今季最高の結果で終えられるように、悔しい思いをしたリーグ戦からタイトルをとるところに向かえるように、喜んでもらえるように、また準備したいと思います。