J2ベガルタ仙台は27日、前監督の手倉森誠氏(54)がタイ1部パトゥム・ユナイテッドの新監督に内定したと発表した。

昨季(20-21年)リーグ王者のパトゥムは、暫定監督のもとで現在4位と好調で、4月に開幕するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)にも1次リーグから出場する強豪。契約期間は今季(21-22年)途中から来季(22-23年)終了までとみられ、同氏は来月中にもタイに渡航予定だという。18年にはU-21(21歳以下)タイ代表監督就任の打診があり、その縁で白羽の矢が立ったようだ。

手倉森氏は08~13年に仙台監督、16年リオ五輪代表監督、18年W杯ロシア大会日本代表コーチ、19、20年にJ2長崎監督、21年に仙台監督を歴任してきた。仙台では東日本大震災が発生した11年にJ1で4位、12年に2位、ACL出場権獲得と経営規模が大きくないチームを上位に押し上げ、復興を目指す被災地の「希望の光」となった。

昨季は8季ぶりに古巣復帰も、在任中は5勝12分け19敗と低迷し、残り2試合を残してJ2降格が決まった。その責任を取る形で監督を退任したが、スタッフとして残留し、クラブの強化、育成のサポートを担当していた。

手倉森氏はクラブを通じて「ベガルタ仙台を立て直し、クラブに関わっていこうと考えておりましたが、監督就任のオファーがあり、指導者として海外でチャレンジしたいという以前からの願いをクラブにくんでもらい、快諾していただきました。パトゥム・ユナイテッドで新たな挑戦、がんばりたいと思います。互いに高みを目指して、刺激し合いながら向上していきましょう」とコメントした。また、同氏と仙台との契約は来月28日までとなる。