3季ぶりJ1復帰のジュビロ磐田は、アウェー・アビスパ福岡戦の後半ロスタイムに、今季新加入のFWジャーメイン良(26)が同点弾。勝ち点1を挙げた。磐田は次節の26日、静岡ダービー(袋井・エコパ)で清水と激突する。

期待の新戦力が磐田を救った。0-1で迎えた後半ロスタイム。途中出場のジャーメインが、後方からのロングパスに反応した。左足でボールを収め、反転。右足ボレーでネットを揺らした。「勝ち点0と1では全然違う。良かった」。開幕戦で仕留めた移籍後初得点は、敗戦濃厚のチームに勝ち点1をもたらした。

自然と体が反応した。全体練習後のシュート練習では、クラブOBで元日本代表FWの中山雅史コーチ(54)とボレーシュートの練習を繰り返してきた。横浜FCに所属した昨季、わずか2得点だったストライカーは「とっさに足を振れた。練習でやってきたことが、そのまま出せた」。“ゴン塾”で磨かれた得点感覚が、いきなり花開いた。

2019年11月30日の名古屋戦以来、812日ぶりとなるJ1勝利は遠かった。それでも、敵地で最低限の結果は残した。今季就任の伊藤彰監督(49)は「勝ち点1をもぎ取れたことは自信にもなる。J1では、そう簡単に勝たせてくれないと肌で感じたことも良かった」と収穫を強調。ジャーメインも「『次も』という欲も出る。良い形で次に向かえる」と言った。

次節は、J1では3季ぶりに実現する静岡ダービー。今回、負けなかったことを清水撃破につなげる。

◆ジャーメイン良(りょう)1995年(平7)4月19日、神奈川県生まれ。父は米国人、母は日本人。流通経大柏高-流通経大。2018年に仙台入団。21年から横浜FCでプレーし、今季から完全移籍で磐田に加入。J1通算83試合9得点。182センチ、75キロ。