清水エスパルスはホームのコンサドーレ札幌戦の後半23分、FW鈴木唯人(20)が同点ゴールを決めた。清水は次節の26日、静岡ダービー(袋井・エコパ)で磐田と対戦する。

清水のホープが技ありの1発をたたき込んだ。鈴木唯は後半23分、味方からの浮き球パスに抜け出した。「ファーストタッチで前に出られたのが大きかった」。絶妙なトラップで相手を振り切り、角度のない位置から右足ミドルで同点弾。試合後、18日が兄颯太さんの誕生日だったことを明かし「『兄ちゃんにささげるゴール』と書いといてください」とおどけた。

今季掲げている自身のテーマは「フィニッシュの精度」。結果でチームに貢献することを意識している。初陣で幸先よく1得点を挙げるも「まだ1点だし、勝てていない」。今年1月には追加招集で日本代表合宿に初参加し、トップレベルを経験。高みを目指す意識もより強くなった。

昨季からは背番号「23」をつけている。清水では元日本代表の岡崎慎司(35)や北川航也(25)も背負った「出世番号」だ。パリオリンピック世代でもある鈴木唯の夢は世界で活躍する選手になること。開幕戦では初めて指揮した平岡宏章監督(52)から「もっとやれる」と飛躍を期待された。

次節は、宿敵・磐田との負けられない一戦。「試合開始から自信を持ってやりたい」。ブレークの予感が漂う20歳。次戦こそ、自らのゴールで今季初勝利に導く。【神谷亮磨】

◆鈴木唯人(すずき・ゆいと)2001年(平13)10月25日、神奈川県葉山町生まれ。5歳からサッカーを始め、高校時代は市船橋高(千葉)でプレー。2020年に清水に入団。J1通算64試合出場3得点。175センチ、70キロ。血液型AB。利き足は右。