昨年と同じ顔合わせとなった決勝戦で、レノファ山口FC(山口)がオオタフットボールクラブ(岡山)に雪辱して初優勝した。両チームは5月3日開幕の全国決勝大会(神奈川・日産スタジアムほか)に出場する。昨年度の代表権も手にしていたレノファ山口は、山口県内の新型コロナ感染状況が悪化していたため直前で辞退。あらためて初めて全国の舞台へ向かう。

試合前から声を合わせて戦ってきたレノファFCイレブンだったが、3点差に広げたころから静かになった。相手は1月に行われた昨年度の全国決勝大会で、中国代表として初めて優勝したオオタFCだ。最近の練習試合でも押され気味。昨年4月の中国大会決勝でも敗れた相手だが、ついに倒す瞬間がやってきた。

笛が鳴った。「やったぞ!」。ベンチの選手が大声を上げたが、これは反則の笛だった。「まだやぞ!」と笑いに包まれ、再び元気になった。本物の長い笛が鳴って戦いが終わった。白井遥空主将(6年)は「日本一のチームで不安はあったけど、最後までみんなで助け合って勝てました」と喜んだ。

同点に追い付かれた第2ピリオドに決勝ゴールを決めた河内啓夢(6年)は、あきらめず最後までボールを追い、こぼれ球を蹴り込んだ。河内は「父親(基成さん)から『泥くさいプレーが持ち味だぞ』と言われてますから」と父の教えに感謝した。

昨年度の全国決勝大会は、チームに感染者はいなかったが、県内の状況を考慮して辞退した。3月に巣立った卒業生の悔しさを誰より知る山本良太監督は「個人の技術をより高められるよう、1カ月を過ごしたい」と、中国王者になって迎える舞台に思いを巡らせた。

 

決勝トーナメントの結果は以下の通り。

 

▽準決勝

オオタFC(岡山)1-0鳥取KFC(鳥取)

レノファ山口FC(山口)1-0サンフレッチェ広島FCJr(広島)

▽3位決定戦

サンフレッチェ広島FCJr 7-0鳥取KFC

▽決勝

レノファ山口FC 4-1オオタFC

 

〈主催〉日刊スポーツ新聞社、中国サッカー協会〈後援〉日本サッカー協会、鳥取県、鳥取市、鳥取市教育委員会〈主管〉中国サッカー協会第4種委員会、鳥取県サッカー協会、鳥取県サッカー協会第4種委員会〈特別協賛〉全国農業協同組合連合会(JA全農)〈協賛〉山口県農業協同組合、島根県農業協同組合