鹿島アントラーズが日本代表FW上田綺世(23)の3試合連続ゴールで福岡に1-0と競り勝ち、5連勝で首位に浮上した。上田は今季5点目で、得点ランキングの首位に立つ。ドイツ、スペインなどの強豪と対戦するW杯カタール大会(11月21日開幕)に向け、たぐいまれなシュートセンスを武器に日本のエースへと駆け上がろうとしている。

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【関連表】J1順位表

上田がストライカーらしい豪快なゴールを決めた。後半26分、MF和泉のパスを受けると素早く前を向き、迷うことなくノーステップで右足を振り抜いた。ゴール右上に突き刺して3試合連続の得点。またまたチームを勝利に導く一発を決め、「堅いゲームで前半から思うようにチャンスがつくれなかった中、ああいう一発が決められて良かった」と振り返った。

ペナルティーアーク付近は、上田にとって遠くはない。むしろゾーンだ。今季は開幕のG大阪戦、3月19日の湘南戦でも強烈なミドルを決めている。日々のシュート練習では、本数ではなく感覚を大事にするのが上田流。回転、足への当て方、振りの大きさ、角度を細かく意識し、シュートの引き出しを増やしていく。ノーステップで強いボールを蹴る技術も、練習の積み重ねのたまものだ。法大在学中からA代表に入る活躍を見せていたが「大学のころよりも、パワーやシュートレンジ、精度、パワーは磨かれた」と成長を感じている。

3月29日のW杯アジア最終予選最終節ベトナム戦にフル出場したが、無得点に終わった。だがJリーグの舞台では全試合に先発し、一発の威力を発揮している。早くも今季5得点目で得点ランクの首位に立った。W杯カタール大会では優勝の実績があるドイツ、スペインと同じE組が決まった。強豪相手にチームを勝利に導くスナイパー上田の“飛び道具”が、日本の大きな武器となる日は近そうだ。