この天皇杯では、過去に優勝経験もある京都サンガが、JFLチームの高知ユナイテッドに延長戦の末勝利。苦しい戦いを制した。

ゴール前でボールを奪われる場面が目立った。

後半6分にはFW田中和樹(22)がレフトサイドからゴール前にボールを運び、センターへパス。絶好のチャンスも、ボールは相手選手の足元へ。チャンスを捉えきれない。

紫色に染まる会場には不安の空気も漂う。その中で、後半24分には先制され0-1。同37分にMF山崎凌吾(29)が、左足でアーチを描くようにゴール左下にボールを収め同点に追いつくも、2点目は遠く後半戦終了となった。

ただし、延長戦へ突入すると、延長前半9分、FW大前元紀(32)が得点。同16分には、山崎がこの日2点目となるゴールを決め、J1チームの意地を見せつけた。

曹貴裁(チョウ・キジェ)監督(53)は「単純にフィニッシュで終われなかったのが(良くなかった)。ああなる(カウンターを浴びる)のは当たり前。前半10分からの30分間は、最後、結末のない映画を見ているようでしたね」と、苦い表情で語った。

辛勝とはいえ、前進には評価。曹監督は「PKでもなんでも、次に進むのが大切」と、次戦へつなげられたことを喜んだ。【竹本穂乃加】