J1最下位に低迷するヴィッセル神戸は29日、スペイン人のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(65)の契約を28日付で解除し、強化部スタッフの吉田孝行氏(45)が後任監督に就任すると正式発表した。

クラブOBの吉田新監督は、神戸では3度目の監督に就任で、次節7月2日サガン鳥栖戦(駅スタ)から指揮を執る。神戸の今季監督は三浦淳寛氏、リュイス氏、ロティーナ氏に続く3度目の交代で4人目。

事実上の解任となったロティーナ氏は、4月上旬に17位でバトンを託されたものの、その後に転落した最下位から抜け出せず、就任後2勝1分け6敗で更迭が決まった。その間のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)では1次リーグを突破し、天皇杯でも4回戦に進出していた。

ロティーナ氏はクラブを通じて、関係者に感謝した上で「プロフェッショナルな姿勢で、多大な努力をしてくれた選手たち全員に感謝したい。この姿勢で努力を続けることが、きっと結果につながっていくと信じています。チームはまだ4つの大会で戦っており、まだまだ素晴らしいシーズンにする時間は十分残っています」などとコメントした。

一方で、吉田新監督は「クラブは非常に苦しい状況にあります。この厳しい現実を打破するべく私のことを信頼し、このような機会を与えてくれるクラブの力になるため、監督を引き受けさせていただきました」などとあいさつした。

 

◆吉田孝行(よしだ・たかゆき)1977年(昭52)3月14日、兵庫・川西市生まれ。滝川二からFWで横浜Fに入団し、クラブ消滅前最後となる98年度天皇杯決勝で、優勝に導く伝説のゴールを決める。横浜、大分、横浜を経て08年神戸移籍。J1通算356試合53得点。13年限りで現役を引退し、神戸のコーチなどを歴任。17年8月にネルシーニョ監督の解任を受けて監督に昇格し、イニエスタが加入した18年は9月まで指揮。19年4月にはリージョ監督の後任として監督に再登板して5月まで指揮。20年からJ2長崎でコーチ、21年は監督に就任も5月で退任。22年から神戸強化部スタッフに。監督としてJ1通算15勝10分け20敗。174センチ、67キロ。