柏レイソルのMF中村慶太(29)が、後半戦のキーマンになる。中村は前節の鹿島アントラーズ戦で、5月14日のガンバ大阪戦以来、約2カ月ぶりにベンチ入りし、中盤の一角で途中出場した。

4日、次節の名古屋グランパス戦(7日、三協F柏)に向けてオンライン取材に応じ、「鹿島戦は決定力だけの違いだった。勝負強さはまだまだ。勝負の際の質を高めていかないと。次は勝たないといけない」と、連敗脱出を掲げた。

リーグ戦から2カ月間、遠ざかった。けがをしていたわけではない。ネルシーニョ監督が求める守備の強度と運動量が足りないことは自分でも分かっていた。

「僕自身もやっていて、うまくチームとして機能させられてないのがあった。試合展開もあったが、外されたのは納得」

しかし、ここで腐らないのが中村だ。「体力の向上と体をしぼることが不可欠」と体づくりに取り組んだ。体脂肪は13%台でチームでも高い方だったが、3%落として10%台に。体重も3キロしぼった。

「体は動いてきているし、体力もついているのは感じている。意味のある2カ月だった」と振り返った。

ベンチ外組の練習も、活気があふれていたという。「僕も29歳なので。試合出られないからと一喜一憂することはない。全員が全員、メンバー外練習でも声を掛け合っているし、やらない選手もいなかった」と、全員が試合に向けて準備していたことを明かした。

鹿島戦は敗れはしたが、中村が途中から中盤でゲームをつくり、攻撃を活性化させた。課題の守備面でも、早い攻守の切り替えと強度の高い球際を発揮した。

中村は「外されてチームが勝っていたので、悔しい気持ちはあるけど、それでチームが勝てるなら続けるのは当然。今、チャンスが回ってきた。そこをつかむのは自分次第。チャンスを逃さないようにやり続けて良さを出して違いを出さないといけない」と巻き返しを誓う。

同時に、後半戦はチームの底上げが大事と強調する。鹿島戦では、長期離脱していたFW武藤雄樹が得点するなど、前半戦でベンチ外だった選手が活躍したのも好材料だ。

中村は「武藤選手だったり、今まで出ていなかった選手が結果を残していかないと。そういう選手がたくさんいれば、ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)も狙えるし、競っている試合をたぐり寄せられると思う」と高い目標を見据えていた。