元ベガルタ仙台で関東1部の南葛SCに所属するMF関口訓充(36)が、東北学院中・高サッカー部の臨時コーチを務めた。仙台市内の同校で講習会を開催。「止める、蹴る」を練習テーマに指導した。講習会は4日が1回目。今後も隔月で行う予定だ。

今春の宮城県高校総体で準優勝し、35大会ぶりの全国選手権出場を目指す古豪に関口コーチがやってきた。本格的に生徒を指導するのは初めてで「教える大変さはやりながら感じました」。チームのレベルや個々の性格など分からないことが多く、苦戦した部分もあったという。次回は9月。「みんながどれだけ成長しているか、すごく楽しみです」と笑顔で話した。

今季加入した南葛SCでは、J1川崎Fのトップチームコーチ、下部組織の監督やコーチを歴任した森一哉監督(48)の下、チームとして「止める、蹴る」の正確性にこだわる。パスサッカーでJ1を2連覇中の川崎Fも、その基礎動作がベース。関口は「止める、蹴るを極めるだけでパスのスピード、テンポ、攻撃のリズムが全然違ってきて、優位に試合を運べます」。南葛SCで吸収した「感覚」を還元していく。

「1日10分続ける重要性」を説いた。川崎Fの主力でさえも正確な「止める、蹴る」の習得まで時間を要したという。森監督から中心選手のMF大島僚太(29)らが全体練習後に反復練習していたエピソードを聞き、「努力をすれば必ずあの領域までいけるのかなと」。だからこそ「1日10分やれば1週間で1時間10分、年間を通したら相当な時間になる。時間が短くても続けることが大事だと思います」とエールを送った。

関口はリーグ全9試合先発も、南葛SCは2勝4分け3敗で10チーム中7位と苦戦。「しっかり勝ち点を重ねていけば、まだまだ逆転できると思います」。コツコツ継続する大切さを自ら証明する。【山田愛斗】