アルビレックス新潟は終盤に粘りを見せ、徳島ヴォルティスと2-2で引き分けた。0-2の後半33分、左FKから右DF藤原奏哉(26)がゴールを奪い1点を返すと、同40分には左DF堀米悠斗(27)が後半途中出場のMF秋山裕紀(21)の右クロスをヘディングで合わせた。3試合ぶりの勝利を挙げることはできなかったが、勝ち点1を積み上げた。この日、横浜FCが敗れ、首位との勝ち点差は1に迫った。次節は14日、アウェーで栃木SCと対戦する。

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両サイドバックが意地を見せた。1点目を返したのは右DFの藤原。0-2の後半33分、MF高木善朗(29)の左FKに体ごと飛び込み、頭でネットを揺らした。続く40分には左DFの堀米主将。秋山のフワッとした右クロスに突っ込んで同点弾を奪った。

リーグ最少失点を誇る徳島の堅い守備の前に、終盤まで自分たちの攻撃スタイルを発揮できなかった。試合前日の5日、松橋監督は「積み上げてきたことはぶれない。縦方向を意識した攻撃で相手のズレ、ウイーク(ポイント)を突いていきたい」と話し、DF舞行龍ジェームズ(33)も「選手同士のいい距離感を保ち、バイタルエリアに進入したい」としていた。だが、前半は統率の取れた相手守備に手を焼き、ゴール前に進入できない。ボールは中盤と後方を行ったり来たりし、テンポのいいパス回しは影を潜めた。

後半に入ってもエンジンが掛からない。すると同13分に左サイドクロスを頭でたたき込まれ、スコア0-2とされた。同15分にMFシマブク・カズヨシ(23)FW小見洋太(19)を投入。徐々に流れを引き寄せると、驚異の粘りから2ゴールを奪った。

ホームでの勝ち点1を死守も、守備は3試合連続で序盤に失点した。舞行龍は「試合の入りで失点しないこと。集中させたい」と話していたが、チームは前半の戦い方を修正、克服できなかった。リーグ戦は残り12試合。リーグ戦序盤で見せた勢いを取り戻したい。【小林忠】

▼プロ野球の大洋(現DeNA)などでプレーした野球解説者でMF高木善朗(29)の父豊氏(63)が昨年8月に続き、試合開始前にトークショーを行った。今季ここまで25試合に出場し6得点4アシストを決めている次男の善朗に対し「まだまだいける。ここから。全てに集中してほしい」とさらなる活躍を願った。最後は「絶対、昇格。新潟のために!」と拳を突き上げ、会場を盛り上げた。