コロナ禍でわずか14人で臨んだアビスパ福岡が、交代1枠だけを使ってヴィッセル神戸に1-0で完勝した。

2戦合計3-1でクラブ初の4強入り。第1戦も15人だった福岡はさらに感染が広がり、ベンチのフィールド選手(FP)は前回2人から1人に減っていた。9月21、25日の準決勝はC大阪-浦和、福岡-広島になり、ホームアンドアウェー方式で行われる。

  ◇   ◇   ◇

福岡が度重なる逆境をはね返し、クラブの歴史を塗り替えた。初のベスト4進出に、長谷部監督は「非常に喜ばしいこと。(チームに)強い絆があった」と胸を張った。神戸を寄せ付けない2-1、1-0の2連勝での突破だ。

新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、ベンチにGK2人、FP2人の計15人で臨んだ第1戦より事態は悪化し、この日はGK2人、FP1人の計14人。前回はGK山ノ井をFPで起用する秘策を披露したが、この日はGK永石が準備こそしたものの、唯一のFPだったMFクルークスを後半34分に投入したのみ。気温31.5度のピッチで10人は最後まで走り抜いた。

前半43分、個人技で突破したFWジョン・マリの右クロスを、MFルキアンが第1戦に続く技ありゴールを決めた。殊勲のブラジル人は「我々はコロナという見えない敵と闘い、苦しんでいる。仲間やサポーターの気持ちすべてが勝利につながった」と感謝した。

7月下旬からチーム内の陽性者は累計で30人を数える異常事態が続く。6日のリーグG大阪戦は開催下限人数の13人がそろわず中止に。今後も強行日程が待ち受けるが、現在12位のリーグ戦、8強に残る天皇杯を含め、福岡は全力で戦う。