韓国1部水原三星から完全移籍でコンサドーレ札幌に加入したFWキム・ゴンヒ(27)が14日、札幌・宮の沢でのチーム練習に合流した。さっそくチームメートとフルメニューを消化した。自信を持つ両足からゴールを繰り出し、圧倒的エース不在のチームに貢献する。

キムが札幌の一員としてスタートした。前日13日ヴィッセル神戸戦に先発したリカバリー組をのぞく選手での練習に参加した。練習前にはDF福森から声を掛けられてパス交換でウオーミングアップするなど、コミュニケーションを図った。「来る前に札幌の試合を見てチームメートの特徴を何となく把握してきた。日本のサッカーはテクニカル。早く慣れたい」。順調に合流初日を終えた。

練習見学者から拍手が起こった。8対8のミニゲームでは前線に入ってプレー。ひと目では利き足がどちらかわからないほど、両足を使いこなし、左足ボレーシュートを決めた。元々は右利きだが練習して左足も上達し「両足でシュートできる」と自信を持つ。今季はチーム内にエースがおらず、得点力は課題だった。対人も強いストライカーへの期待は高まる。

今年1月に韓国代表としてデビューした。代表活動で一緒になった元札幌GKク・ソンユンからは、ペトロビッチ監督のもとで成長した経験をもとに「すごいいいチームだよ」と後押しされた。日本の複数クラブからオファーを受け、最終的に札幌入りを決めた。自身の成長も求めた初の海外挑戦。キャリアの目標に「ワールドカップ(W杯)など大きな大会に出場したい」と掲げる。

実戦から約1カ月遠ざかっており状態を上げる必要はあるが、リーグ登録済みのため、なじみ次第デビューとなりそうだ。チームは現在11位で残留争いからの脱出を狙う。「チームの助けになりたい」。残り9試合の今季、キムの活躍がJ1残留への鍵となる。【保坂果那】

◆金健熙(キム・ゴンヒ) 1995年2月22日、韓国・全州市生まれ。02年W杯日韓大会を見て、翌年の小学2年からサッカーを始める。16年に韓国1部水原三星入りし、19年尚州尚武に期限付き移籍。20年古巣に復帰。Kリーグ通算99試合20得点。韓国代表歴はU-20、U-23、A代表。利き足は右。186センチ、79キロ。22年4月に結婚し、家族は妻。好きな日本食はすし。