コンサドーレ札幌が川崎フロンターレに4-3で逆転勝ちした。3-3の後半ロスタイム12分、FW小柏剛(24)が2試合ぶりとなる今季2点目を決めて勝ち越した。ホームでのJリーグ戦過去13戦未勝利(4分け9敗)だった相手に初勝利。9月から4戦無敗(3勝1分け)で、今季最後の札幌厚別での試合を飾った。

札幌が優勝争い中の川崎Fから劇的勝利をもぎ取った。表示されていたロスタイム12分が終わろうとする間際だった。FWキムからのパスに小柏が左足を振り抜いた。決勝ゴール。ベンチではペトロビッチ監督(64)を中心にチームが輪になって跳びはねて喜ぶ。殊勲の小柏は「最後ああいう形で決めて勝てたのは気持ち良かった」と余韻に浸った。

自身にとって好相性のピッチだ。ルーキーだった昨季の仙台戦でのプロ初ゴールを決めたのも札幌厚別だった。サポーターから「聖地」と呼ばれる、クラブにとっては歴史が詰まった場所。今季最後の開催で「この舞台で点を決められて良かった」。群馬から応援に駆けつけた両親の目の前での活躍に「決めました!」とヒーローインタビューで喜んだ。

今季はケガが重なり苦しんだ。左右の太もも裏を負傷し、復帰と離脱を繰り返し、この日が出場11試合目。「今季始まる前に僕に期待してくれていたサポーターには、ケガなどで応えることができていなかったので申し訳なかった」と、悔しさともどかしさを明かしたことがある。サポーターからの残念がる声が、届いていたからだ。

これでホーム3連勝。チーム復調の要因の1つに指揮官は小柏の存在を挙げる。「小柏がいかに重要な選手か、分かったと思う」。過去Jの舞台で一度も本拠地で勝てなかった川崎Fからの勝ち点3に「この勢いを継続して」と小柏は気合を入れる。シーズン残り4試合、白星を重ねていくためには欠かせない選手だ。【保坂果那】

◆勝利したペトロビッチ監督 札幌にしかできないような素晴らしいスペクタクルな試合だった。サポーターとともに素晴らしい試合をつくりあげた。

■興梠、得点歴代単独2位

FW興梠がJ1通算162点目を決め、リーグ歴代単独2位に立った。1-1の前半41分、PKでゴール左へ流し込む1発。「記録に名前を刻めたのはうれしい。自分は仕かけて点を取るタイプではない。チームメートからのパスで決めることが多い。今まで携わった選手に感謝」と話していた。