ベガルタ仙台はプレーオフ(PO)進出を逃し、終戦を迎えた。アウェーでブラウブリッツ秋田と0-0で引き分け。再三の好機も、最後まで1点が遠かった。FW中山仁斗(30)は来季の巻き返しを誓った。

終戦を告げるホイッスルがピッチに鳴り響いた。今季最終戦はスコアレスドロー。勝ち点「3」でPO圏内の6位返り咲きも、最後まで1点が遠く、「J1復帰」の道が閉ざされた。伊藤彰監督(50)は「最後に勝ち切ることができなかった。現状の力だと思います」と冷静に受け止めた。

再三の好機を決めきれなかった。0-0で突入した後半。FW中島元彦(23)が強烈なミドルシュートを放ち、そのこぼれ球を中山が押し込みにいくもボールに触れることができない。同29分には決定的シーンが訪れ、FW富樫敬真(29)が左足を振り抜くも、相手GKの好セーブに阻まれた。この試合のシュート数は相手の2本を大幅に上回る17本。だが、決定力不足に泣いた。中山は「(試合)内容が良くても勝てなかったのが僕たちの力。もっと集中して、こぼれ球に反応できていれば…。決め切る技術、メンタルがあれば…。もっともっと成長していかないといけない」と振り返った。

シーズン序盤は順調そのものだった。一時は首位に立ったこともあったが、終盤に入り失速。8月20日群馬戦からは今季最多の5連敗を喫し、9月に伊藤新体制の下、再出発したが勝ち点を上積みすることはできなかった。「5連敗して、チーム(の順位)が落ちてきて、踏ん張れる力、盛り返す力がなかった」と中山は肩を落とした。

来季もJ2で戦うことが確定した。中山は巻き返しを誓った。「借りは来年返していきたい。強いチームを一からつくっていく」。覚悟を胸に、再び「戦国J2」の舞台で「J1復帰」を目指す。【佐藤究】