全国高校サッカー選手権(28日開幕、東京・国立競技場ほか)で2連覇を狙う青森山田の攻守の要が、強豪大学に進学する。主将のDF多久島良紀が関東1部今季王者の明大に、背番号「10」を背負うエースFW小湊絆(つな、ともに3年)が同5位の法大に、それぞれ20日までに合格。大学経由でプロ入りを目指す。

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小湊が法大でスケールアップする。高いシュート技術を誇り、スピードや競り合いの強さも兼ね備えた青森山田の万能型ストライカーは、大学サッカー界の名門に進学。「関東1部でやれて、毎年、毎年、プロも輩出していますし、自分が一番成長でき、プロに一番近い道かなと思い、法政大学に決めました」。他大学の練習も参加したが、J2東京Vなどでプレーした井上平監督(39)の存在やチームのフレンドリーな雰囲気にもひかれたという。

法大出身でW杯カタール大会にも出場した日本代表FW上田綺世(24=セルクル・ブリュージュ)の背中を追う。3年時の19年にA代表入り。大学生の選出は実に約9年半ぶりの快挙だった。「大学から代表に呼ばれることは少ないですが、結果を残し続ければ絶対に呼ばれるので、早くプロを決めて、個人として成長できれば」。上田は2年時にJ1鹿島入団内定(3年時の7月にサッカー部を退部し、前倒しで加入)。小湊も早期にJクラブから内定を得て、在学中に代表選出される未来を思い描く。

今季、青森山田OBの日本代表MF柴崎岳(30=レガネス)やU-19日本代表MF松木玖生(19=J1東京)らがまとった背番号「10」を継承した。全国選手権青森県大会決勝では同点の延長後半に決勝ゴール。チームを本大会に導いた。2年時は途中出場がメインも、全国総体、プレミアリーグEAST、全国選手権を制した3冠メンバーの一員に。選手権は全5試合で途中出場し、計59分で3得点と高い決定力を示した。

小湊には「日本一のサッカー選手」という壮大な夢がある。そのためにも法大入学直後から継続して出場し、「1年目は(関東1部の)新人王を取りたい」。夢の実現へゴールを積み重ねていく。【山田愛斗】

◆小湊絆(こみなと・つな)2004年(平16)11月18日生まれ、東京都出身。横浜FCジュニアユース、青森山田を経て23年に法大進学。ポジションはFW。背番号「10」。好きな選手はレスターの元イングランド代表FWジェイミー・ヴァーディ。家族は両親と妹。177センチ、72キロ。血液型A。