今季限りでの現役引退を表明していた元日本代表DF槙野智章(35)が26日、所属するヴィッセル神戸の本拠地・ノエビアスタジアム神戸で会見した。

会場にはテレビカメラ9台。約50人の報道陣が詰めかけた。

槙野は「これまでにない会見にしたい。プロジェクターでプレゼンしながら進めていきたい。よろしくお願いします」と冒頭で語った。

まず、会見ではチームメートで元スペイン代表のイニエスタらからのメッセージが映像で流された。DF森脇良太が涙ぐみながら別れの言葉を述べると、槙野の目もみるみる赤らんだ。元日本代表監督の岡田武史氏、日本代表の森保一監督からのメッセージもあった。槙野は「たくさん刺激をもらった仲間。たくさんの方に支えられた。みなさんに感謝したい」と話した。

会見のタイトルは「第二章開幕宣言」と命名された。「終わりじゃない。ここから始まりだよと伝えたかった」と狙いを説明。引退理由については、今季、選手として“槙野劇場”を起こせなかったことを挙げた。「満足いくプレーができなかった。みなさんに満足させるプレーもできなかった」と話した。さらに、第2の人生で「監督」をやりたいと思ったことも引退を決めた理由とした。

会見は当初の予定より10分遅れでの開催となった。クラブ広報は「新幹線が約30分遅延したため」と説明した。

今季、神戸ではJ1リーグ戦で16試合1得点。24日夜に放送された日本テレビ系「Going! Sports&News」に生出演し「今季をもちまして、17年プレーしてきたプロサッカー選手を引退したいと思います」と明かしていた。

今後については「監督をやりたい」と話している。

◆槙野智章(まきの・ともあき)1987年(昭62)5月11日、広島市生まれ。広島の下部組織から06年トップ昇格。ケルン(ドイツ)を経て12年に浦和へ。ACL優勝などに貢献し、22年神戸入り。Jリーグのベストイレブンは3度受賞。日本代表は10年にデビューし、17年ブラジルとの親善試合でDFとして日本初の得点者になった。西野朗監督が率いた18年W杯ロシア大会ではベスト16進出に貢献した。182センチ、77キロ。