岡山学芸館(岡山)が、背番号10をつけるMF山田蒼(3年)の2ゴールなどで鹿島学園(茨城)を破り、同校の大会最高成績に並ぶベスト16進出を果たした。

山田の見事な2ゴールだった。まずは前半18分の先制点。ペナルティーエリア手前でボールを持つと、DFの激しい寄せにも、しっかりキープ。ターンして間髪を入れずにミドルシュートを放ち、ゴール左下を射抜いた。「迷わず打ちに言ったが、自分でもびっくり」と話す一撃だった。

その後は2度追いつかれるシーソーゲームで2-2となり、迎えた後半35分だった。左サイドの崩しから味方のヒールパスに反応してペナルティーエリア内へ走り込むと、そのまま右足ダイレクト。美しい軌道を描いたシュートが今度はゴール右隅へ決まった。「ずっと練習してきたインフロントシュート。自信を持っていた」と殊勲の1発を振り返った。

腰の痛みに悩まされた3年間だった。1年の夏に痛め、腰椎分離症と診断された。長期のリハビリをして復帰しては痛みが再発する苦しい時間が続いた。前回大会は1回戦こそベンチ入りも、2回戦はベンチを外れた。

新チームの発足から背番号10をつける。「次こそやってやる」と選手権で自らが輝く事を思い描き、新たにフィジカルトレーニングにも取り組んだ。8月に67キロだった体重は71キロに増え、当たり負けしなくなった。腹筋や骨盤周りがひとまわり大きくなり、腰の痛みも軽減した。パワフルになった肉体を生かした2ゴールで、同校で2度目のベスト16進出を決めた。「目標はベスト4」と志半ば。まずは岡山学芸館の新しい歴史となるベスト8進出を目指す。

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