東山(京都)が2-0で前回大会4強の高川学園(山口)に完勝し、2大会連続ベスト8に進んだ。

開始わずか48秒でDF石井亜錬(3年)が先制点を奪取。W杯カタール大会で活躍したOBの日本代表MF鎌田大地(Eフランクフルト)が応援に訪れた一戦で、堂々たる戦いぶりを見せた。4日の日体大柏(千葉)との準々決勝を制して、過去最高の4強入りを狙う。

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大先輩のエネルギーが乗り移ったかのような速攻劇だった。キックオフの笛が吹かれてから、わずか48秒。左CKに、石井が技ありの右アウトサイドキックで合わせた。

「1発目で決められて良かった」。相手のお株を奪うプレーは思惑通り。高川学園は円陣でグルグル回る「トルメンタ」など、個性的なセットプレーを武器に前回4強。福重良一監督(51)はここに狙いを定めた。「得意なところで点を取るとダメージは大きいかなと感じていた」。開始直後に出ばなをくじいてペースを握った。

石井も「いろいろなセットプレーの得点パターンを準備していた。狙い通りで良かったです」と作戦成功に笑顔。ゴール直後にジャンピングキックで喜んだ姿を、ドーハ帰りの先輩も見つめていたに違いない。

実はこの日、OBであるMF鎌田が応援にかけつけていた。福重良一監督(51)はあえて選手たちに伝えておらず、石井は「会いたかったです」と笑ったが、存在感はずっと感じていた。

「東山からも世界で戦える選手になれる可能性を見せてくれました」。W杯で16強入りに貢献した姿を目に焼き付け、指揮官から教えられたトップアスリートの姿勢を思い出した。「鎌田選手は人の話をすごく聞くし、自分に必要なものは何かをしっかり判断してやっていた、と聞いていました」。身近で最高のお手本が発奮材料。次も勝って、初の4強という新しい景色を届けたい。【磯綾乃】

◆東山 ひがしやま。京都市左京区にある私立男子校。1868年(明元)に創立、サッカー部は1968年(昭43)創部。生徒数は約1200人。主な卒業生はサッカー部はMF鎌田大地(Eフランクフルト)やMF池田昌生(湘南)ら、その他にも元プロ野球投手の岡島秀樹、バレーボール日本代表の高橋藍ら。

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