ヴィッセル神戸は7日、セレッソ大阪のブラジル人FWジェアン・パトリッキ(25)の完全移籍による電撃獲得を発表した。

神戸は既に6日に今季の全体練習を始動させ、C大阪にとっては8日始動の前日の移籍決定。“阪神ダービー”と呼ばれる両クラブによる、仁義なき戦いとなった。

パトリッキはポルトガル1部サンタクララから、22年1月途中でC大阪に移籍した俊足アタッカー。昨季は主に左サイドで28試合5得点の成績を残し、C大阪の5位躍進やルヴァン杯準優勝に貢献していた。

一方の神戸は昨季、最終的に13位だったものの残留争いに巻き込まれた。途中獲得したモンテネグロ代表FWムゴシャも機能しないなど、外国籍選手の補強は失敗が許されない状況だった。

そこで日本で実力が証明されたパトリッキに白羽の矢を立て、最近になって交渉が本格化。MFイニエスタのパスでさらに得点力を、大迫や武藤らとのFW陣との融合にも期待できることでオファーに至った。パトリッキと24年シーズンまでの2年の契約を残すC大阪に、神戸は推定1億5000万円の違約金を支払っての獲得となった。

パトリッキは神戸を通じて「この新たな挑戦に、僕自身モチベーションが上がっていて同時に、とてもうれしく思っている。神戸のような偉大なクラブのユニホームを着られることは、どんな選手にとっても喜びです。僕のことを信じて、この機会をくださったクラブ経営陣の方々に感謝します」などとコメントを発表した。

今季はタイトル獲得がノルマとなるC大阪は、始動前日に、主力アタッカーを引き抜かれることになり、逆風での船出となる。