静岡学園は12-0で日大三島に圧勝し、8強入りを決めた。FW神田奏真(2年)が1本のPKを含む4得点。1年時から主力として活躍するエースがチームの大勝劇に貢献した。藤枝東は5-1で静清を退けた。また、今冬の全国選手権に出場した浜松開誠館は0-1で同じ西部地区の磐田東に敗れた。4強入りを懸けた準々決勝は22日に行われる。

静岡学園の点取り屋が輝きを放った。3点リードで迎えた前半26分、FW神田はゴール前のこぼれ球を左足で追加点。自身の今大会初ゴールで勢いづいた。同40分には自らの突破で獲得したPKで2点目。1分後にも右足でネットを揺らし、前半だけでハットトリックを達成した。「試合の入りがよくなかったので、もっと点は取りたかった」。後半にも追加点を決めたが、満足はしなかった。

1年時からAチーム入りし、昨年はプレミアリーグWESTでチーム最多の10得点をマーク。最終学年となる今年はプレーでチームを引っ張る覚悟だ。神田は「ゴールでチームを勝たせる選手になりたい」。今大会に限り指揮を執る宮本佳宣コーチも「ずっと期待されてきた中で、今年は彼が点を取って勝つ試合を多くしなければいけない」と、さらなる奮起を求めた。

中学までは東淀川FC(大阪)でプレー。同クラブ出身で静岡学園を経てプロ入りした鹿島MF名古新太郎(26)やMF松村優太(21)の背中を追っている。「プロになるために僕も静学にきた。そこはぶれずに目指していきたい」と明確な目標を持っている。今大会の位置付けも「他の選手との違いを見せつけたい」。結果を出し続けることで夢の実現に向けてアピールする。

チームの目標は「総体と選手権、プレミアリーグで日本一になること」と宣言。高みを見据える絶対的エースは貪欲にゴールを目指していく。【神谷亮磨】

◆神田奏真(かんだ・そうま)2005年(平17)12月29日、大阪府生まれ。3歳でサッカーを始め、小中学時代は東淀川FC(大阪)でプレー。21年のU-16日本代表候補。家族は両親、兄、姉。179センチ、71キロ。血液型A。右利き。