G大阪の元日本代表FW宇佐美貴史(30)が、ホーム開幕鳥栖戦でゴールを演出した。自身が担ったCKから先制点へ導いた。開幕から2試合連続で逃げ切りに失敗し、結果は1-1と引き分けた。今季初勝利はお預けになったものの、ホームで初お披露目した新背番号7と新主将の姿は別格だった。

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12年ぶりのホーム開幕戦勝利、今季初勝利こそ逃したが、2万5865人を動員した本拠地で宇佐美は躍動した。第一声で「勝ちたかった」と唇をかんだが、「負けてはいない。進んでいる方向は、絶対に間違っていない」と下を向かなかった。

開幕のアウェー柏戦で今季初得点していた宇佐美は後半6分、FW鈴木の先制点をお膳立てした。自身がふわりと蹴った右CKがDF三浦の頭を経て、こぼれ球に鈴木が右足から飛び込んだ。

ただ、柏戦同様にその後に同点を許し、逃げ切りを図れなかった。エースは「(最近は)固いスコアで勝ってきた成功体験が多すぎて、そこにすがる部分がある。全員が強く2点目、3点目(の追加点)を思うことで変わっていく」と悔しがった。

この日は新背番号7をホームで初披露した。かつてMF遠藤保仁(現J2磐田)がつけた番号を立候補で背負い、ポヤトス監督から指名された新主将として仲間を鼓舞した。従来のFWではなく、インサイドハーフという心臓部も担う。ボールを失わない高度な技術と、正確なキックやスルーパスを連発し、前半40分の左足の強烈なシュートはポストを直撃した。

攻撃の組み立てからフィニッシュまで請け負うスーパーマンに、視察した日本代表森保監督は「あの役割は彼を生かす、彼も生きる、思い切ってやれる位置」と評価した。次節神戸戦へ、宇佐美は「自分たちのサッカーを表現して勝つだけ」と、3戦目での初勝利を誓った。【横田和幸】

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