J2いわきFCは東日本大震災から12年を迎えた11日、練習拠点のいわきFCフィールドで犠牲者を追悼した。トップチーム選手、下部組織選手、スタッフ、ファン、サポーターら約200人がピッチ上で献花し、地震発生時刻の午後2時46分からは1分間の黙とうをささげた。

いわきは震災で甚大な被害を受けた、いわき市、双葉郡の復興に寄与する存在として12年6月に誕生した。村主博正監督(46)は「僕もそうですけど、選手も含めて『このチームに何でいるんだろう?』というのをもう1回確認し、プレーで何か伝えなければ僕たちがいる意味はないので、しっかりやりたい」と、あらためて誓った。

今日12日には同じ被災地クラブの仙台と「復興応援試合」を戦う。これまで17年のチャリティーマッチや練習試合で対戦経験はあるが、公式戦で激突するのは初。今季からJ2が主戦場となり、3試合を終えて1分け2敗と苦しむが、山下優人主将(26)は「本当に止まらず、どんどん前に戦っていく姿を見てほしいですし、何とか勝利して、いい結果を届けたい」。90分間止まらない、倒れないサッカーをピッチで表現し、4度目の挑戦でJ2初勝利をつかむ。【山田愛斗】