北海道コンサドーレ札幌はアウェーで横浜F・マリノスに1-2の逆転負けを喫した。

前半6分、FW中島大嘉(20)が今季初得点を挙げて先制したが、同10分に同点弾を献上。同26分、バックパスのミスによるオウンゴールで勝ち越しを許した。ペトロビッチ監督(65)は2失点目の場面を「サッカーをやる上でミスが続くことはある。悲観的に捉えても仕方ない。不運な失点ではあった」と振り返った。勝てばA組首位に浮上する1次リーグ前半戦ラストを白星で飾れず、1勝1分け1敗でサガン鳥栖と並び2位のままとなった。

4月5日、背番号45に待望の1発が生まれた。中島は武器のスピードを生かしてゴールを奪った。相手DFの裏を抜け、GKをかわし、無人のゴールに冷静に左足で流し込んだ。欲しかった得点に拳を握り、アシストのMF田中宏武(23)と抱き合った。「この瞬間のために生きてるんやなというのを、あらためてかみしめた」。だが、勝利に導けず悔しさをにじませた。「90分であれ1回というのはFWとしてまだまだ。1人で3点取ってひっくり返せる選手にならないといけない」と、喜びに浸ることはなかった。

今季ルヴァン杯全試合先発。決定機を逃した場面もあり、ストライカーとして悔しい期間を過ごしてきた。味方を生かすプレーを意識するようになり、自身の成長には手応えを感じつつ、結果が伴わず苦しんだ。全体練習後、寮での昼食後に練習場に戻って自主トレするなど、もがいてきた。毎試合前、自身がヒーローになる姿を思い浮かべ、鼻息荒く臨んでいた。だが、この日は違った。「今日はリラックスしようと思って。気合入れすぎずに準備してたら思った以上に良かった。“スーパータイカ”より“リラックスタイカ”が大事なことに気づいた」。焦りのないプレーには、落ち着きがあった。

1日リーグ戦川崎フロンターレ戦(3●4)に続く逆転負け。ともにミスからの失点が響いた。プレッシャーから少し解放された様子の“リラックスタイカ”は「ここからチームを勝たせていけるんじゃないかなという期待を自分に持てた」。連敗ストップのために、次こそチームに勝利をもたらす仕事を果たすつもりだ。