横浜F・マリノスがホームで湘南ベルマーレに4-1で快勝し、首位固めのリーグ6連勝とした。

DF松原健(30)が先制のミドル弾を決め、自身初のシーズン2得点を記録。FWアンデルソン・ロペス(29)は得点ランキングトップを独走する2得点で今季15ゴール。今季加入のFW植中朝日(21)にはJ1初ゴールが生まれた。

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目指す連覇へ、横浜が地力の差を見せつけた。開始10分で2得点。口火を切ったのは松原だった。開始6分、ペナルティーエリア付近のこぼれ球に走り込み、迷わず右足を振り抜いて無回転シュート。「自分が1番びっくり」と冗談交じりに振り返る、鋭く低い弾道で真ん中へ決めた。「まず枠にとばすイメージだった。相手がどのクラブでも、あそこでスペースがあくのは分かっていた」と胸を張った。

松原は自身初の1シーズン複数得点。加入した17年シーズンから6年連続で1得点だった。3月の鹿島戦で決めた今季初ゴールもグラウンダーの弾丸ミドル。得意の右足がこの日も光った。鹿島戦では「年に1回のシュートが出た」と笑ったが、ふたたびの豪快弾。「間延びせず、1人が競ったらカバーなどセカンドボールは意識している」と普段から語る通り、この日も役目を全うし、自身のJ1通算200試合出場に花を添えた。

2得点したアンデルソン・ロペスをはじめ、FWエウベル、ヤン・マテウスら最前線の強力な外国人選手が目立つ。彼らを輝かせるのが、豊富な運動量と息の合ったパス回しで即時奪回と連続攻撃を実現させる後方の選手たちだ。前節までを終えてパス数はリーグ3位、スルーパス数が2位。また38得点のうちアシストが29で最多と、つないで仕留めるスタイルが表れる。最終盤まで上下動を続ける松原ら、いぶし銀の働きの上に高い攻撃力が成り立っている。

さらに今季加入のFW植中が途中出場でJ1初ゴール。「みんなから『もう1点いけただろ』と言われた。たしかにそうだった」と、突き放してもなお次の1点を目指していた。得点源は外国人選手だけではないことを示し、苦しむ湘南を寄せつけず。単独首位に立った王者に、すきは見当たらない。【岡崎悠利】