新潟医療福祉大(北信越<1>)は順大(関東<4>=東京)に0-1で敗れ、総理大臣杯初の4強入りはならなかった。

序盤からボールを握って優位に試合を進めたが、同ロスタイムに相手のクロスがMF坂岸寛大(4年)に当たって軌道が変わり、アンラッキーな形で先制を許す。後半もFW田中翔太(4年)、両翼の坂岸、MF森英希(4年)を軸に猛攻を仕掛けるが、6バックの相手堅守をこじ開けることができなかった。

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0-1、後半45分+4分で迎えたラストプレー。GK桃井玲(3年)も攻め上がってDF細井響(2年)のロングスローから同点を狙ったが、奇跡を起こすことはできなかった。両チーム最多8本のシュートを放ちながらも仕留めきれなかったエース田中は「自分のせいで負けた」と責任を背負い込んだ。

チームは昨冬のインカレ準優勝経験者が多く残る。今大会の初戦2回戦(3日)は田中の4得点などで常葉大(東海<3>=静岡)に9-0大勝。この日も関東大学リーグ2部の順大を攻守の切り替えやパスワークで終始圧倒し、ベンチからの“挑発”にも冷静に対応した。空中戦はDF秋元琉星(3年)を中心にはじき返し、こぼれ球はボランチの沼田航征主将(4年)と松本天夢(3年)が拾って広角にパスを散らした。常に敵陣でサッカーを続け、シュート数は相手の倍以上の15本を放った。だが無得点に終わり、沼田主将は「最後の質が足りなかった」と悔やんだ。

佐熊裕和監督(59)は「弱いから負けた」と選手たちに厳しい声をかけたが、「昨年よりアップデートしている部分もある。勘違いをしてはいけないが、関東勢にも互角に渡り合えている」と手応えもつかんでいる。田中は「厳しい体勢からでもゴールを決められるように成長する」。今夏で得た課題と収穫を冬のインカレで生かす。【小林忠】