J2清水エスパルスとジュビロ磐田の「静岡ダービー」が7日、アイスタで行われる。3位清水と2位磐田の勝ち点差はわずか「1」。3月の前回対戦で得点を挙げた磐田FW後藤啓介(18)と清水FWチアゴ・サンタナ(30)が攻撃のキーマンになる。磐田の若きエースは強気な姿勢で複数得点を宣言。清水は昨季J1得点王のブラジル人助っ人が勝利に導く1発を誓った。【神谷亮磨】

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磐田の後藤はビッグマウスを連発した。宿敵との一戦では「決めるイメージしかない」と何度も同じ言葉を繰り返した。3月の前回対戦は開始2分で先制点。2-2で引き分けに終わった悔しさがより一層気持ちを高ぶらせた。「あの時からずっとイメージしている」。清水は元日本代表GK権田がゴールマウスを守っているが、「『元』ですから。誰がGKでも変わらない。決めるだけです」とまくしたてた。

下部組織で育ち、清水は常にライバル視してきた相手。オレンジに染まる敵地での一戦も「緊張しない」と言い切る。2週間前からは清水サポーターの応援をユーチューブで“予習”。アイスタの雰囲気もイメージしてきた。次戦は切り札としての起用が濃厚で、「どの時間に出ても1番はゴールを取ること」と、役割も理解している。

忘れられない一戦がある。2018年のアウェー清水戦は1-5で大敗。当時、磐田U-15の選手として所属していた後藤は磐田サポーターが陣取るアウェーのゴール裏から声援を送っていた。いちファンとして屈辱を味わった敗戦から5年。くしくも、5年前と同じ「10月7日」にアイスタで試合が行われる。サポーターからプロ選手に立場を変えて臨む大一番。後藤は「このダービーがジュビロの歴史を変える。自分が5点を取ってもいいぐらいの気持ちで戦いたい」と闘志をむき出しにした。言ったからにはやる。恐れを知らない18歳は有言実行する。