J2で降格圏の21位に沈む大宮アルディージャが11日、さいたま市内で公開練習を行った。2連休後ということもあり、フィジカルメニューやダッシュメニューをこなしつつ、最後はゲーム形式のメニューで汗を流した。

チームは現在3連勝中。7日には20位のレノファ山口と直接対決を制し、勝ち点差を6まで縮めた。約2週間の中断を経て、22日のアウェー藤枝MYFC戦を迎える。

在籍10年目でチーム最古参のMF大山啓輔(28)は、「チームの雰囲気というか、勢いはいいと思います。ここ3連勝して、順位は相変わらず厳しいですけど、でもまあこういう下位を争うクラブで、3連勝しているクラブってないと思うので、ここに来てある意味、失うものがないじゃないですけど、そういう勢いはチームにあるんじゃないかな」と語った。

やはり「勝ち」が良い薬になっているという。自身は6月24日のいわてグルージャ盛岡戦から出番がないが、この日の練習でも随所に高い技術を示していた。練習からチーム一丸となって戦う空気が流れている。「選手が腹くくってやるしかないっていう状況になってるし、それを出てない選手含めて、練習からいい雰囲気でやれている。まあ逆に勝ててない時も雰囲気が悪かったわけじゃないですけど、こうやって1つ、2つ勝つことで『いけんじゃね』ってなる雰囲気っていうのはすごく根拠とかデータとかそういうんじゃなくて、チームの雰囲気みたいなのは、すごく今いい方向に向いてんじゃないかな」と分析した。

昨夏までチームメートだったMF奥抜侃志(ニュルンベルク)が日本代表に初招集されたこともチームには刺激になっているという。大山にとっては、下部組織の後輩でもある奥抜は、移籍してから連絡することが増えた。大宮の状況を気にかけているという。

「ユース出身の選手が活躍するというのは、先輩後輩関係なく刺激になるし、逆にこれからこうやってユースから上がってくる選手だったり、大宮のアカデミーに入る選手だったりがすごく目指すところになる。自分は今の今までなかなかチームで成績を残せずにもどかしいところもありますけど、後輩がそうやって活躍してくれるっていうのは、いちプレーヤーとしてうれしいし、頑張ってほしいなと思います」

奥抜がデビューすれば、大宮の下部組織出身者として初めてA代表の試合に出場することになるという。大山は「こんなに代表が楽しみというか、身近な選手が出て楽しみなのは久しぶりですね」と笑顔をみせた。残留達成のために、前向きに戦っていく。【佐藤成】