昨季リーグ王者のヴィッセル神戸が、J1昇格組の磐田を2-0で下し、連覇に向けて好スタートを切った。序盤からアグレッシブな戦いを見せて、前半5分にセットプレーの流れからMF汰木康也(28)がボレーで先制弾。後半4分にはFW佐々木大樹(24)がGKとの1対1を冷静に流し込んでリードを広げた。C大阪はホームで東京に2-2、G大阪はアウェーで町田に1-1で引き分けた。

   ◇   ◇   ◇

川崎Fに敗れた17日富士フイルム・スーパーカップから、神戸は1週間で元の姿を取り戻した。序盤から積極果敢なプレス、テンポ良いボール運びで主導権を握り、前半5分にMF汰木のゴールで先手を取る理想的な展開。後半にもFW佐々木が追加点を決めて、アウェーの地で危なげなく勝利した。

吉田監督は「開幕戦で難しいゲームが予想されたが、選手たちがやるべきことをしっかりやってくれて、勝ち点3が取れた」と選手をたたえた。

指揮官は、スーパー杯での敗戦を「非常に大きかった」と振り返った。だが、ネガティブなものではなく、神戸らしさを取り戻すためのきっかけになる「前向き」な意味合い。受け身ではなく、自ら前を目指して戦う原点に立ち返った。

前半から幾度となくクロスを入れたDF初瀬は「自分たちは何をして勝ってきたのかを再確認できた」。DF酒井も「(前回が)悪かったというか、自分たちができていなかっただけ。みんなの素晴らしいパフォーマンスで今日勝利できた」と話し、取り組みの成果に胸を張った。

後半は引いて磐田の攻撃をはね返す時間もあったが、その後にギアを上げ、再びハードな守備で相手に圧力を与える力強さも見せて完封。先発したMF井手口や途中出場のFW宮代、DF広瀬ら新戦力もインパクトを残し、昨季の安定感に上積みを感じさせる内容だった。「強度高くやれれば、どこが相手でも自分たちのサッカーをやり通せる」とMF扇原。開幕戦でハードさを取り戻した神戸が、今季もリーグをけん引していく。【永田淳】

【動画】神戸汰木康也がダイレクトボレー CKのこぼれ球をエリア外から決めた

【一覧】神戸の移籍、退団、新加入選手