北海道コンサドーレ札幌は浦和レッズとのホーム開幕戦で2試合連続の完封負けを喫した。開幕から3戦無得点は、クラブにとってはJ1初、J2では11年以来13年ぶり。前半31分にCKから先制を許し、攻撃では前半10分にMF浅野雄也(27)、FW鈴木武蔵(30)と崩し、MFスパチョーク(25)がシュートを放つ絶好機があったが、攻めきれなかった。

9日の前日練習から選手はピッチの芝生の状態を気にしていた。青みが少なく、一部で土が露出した状態だった。浦和のヘグモ監督は試合後「難しいピッチ」と表現した。試合中に出た負傷者について「柔らかいピッチで筋肉に負担が掛かった」と分析した。札幌スパチョークは「ビルドアップ(後ろから攻撃を組み立てる)スタイルのうちはきつかった」と、パスに苦戦したと明かした。

札幌ドームのホヴァリングサッカーステージは、試合以外は屋外のオープンアリーナに設置されている。太陽光を浴びて芝生を育てるためだ。冬の間は、芝生の上に雪が積もった状態のままとなる。例年は札幌のホーム開幕戦に合わせて除雪作業を行う。だが、今年は異常気象によって、例年とは違う流れとなった。2月に記録的な気温の上昇があった。季節外れの暖かさで雪解けが進み、一度除雪作業を行い、芝生が露出した。その後また積雪。再度除雪作業が必要となった。

札幌ドーム関係者によると「除雪によって水分を多く含んだ芝生に、多くの作業員が立ち入ることから、芝生の状態はデコボコを感じやすいピッチとなった。気候は大きく影響する」という。人が踏むことでストレスを感じる芝生は、最初の除雪後の寒気も相まって青みが低下した。

今後の対策として「肥料を散布することなど、発育を促進させる作業を行う」とコメント。次は16日に町田ゼルビアと同会場で対戦する。スパチョークは「ピッチの状態も良くなるかもしれないし、勝ち点3を取れるかもしれない。まずは点が必要」と話していた。