ベガルタ仙台が熊本に2試合連続のスコアレスドロー。これで5戦負けなし(2勝3分け)の勝ち点9で5位。前半は一進一退の攻防も、後半は押し込む展開。惜しくもゴールは生まれなかったが、DF小出悠太(29)、DF菅田真啓(26)のセンターバックを中心とした危なげない守備で3試合連続無失点をマーク。昨季の課題であった守備面での成長を見せた。

 

「5戦無敗」も、誰ひとり満足していなかった。スタジアムは雪の影響でかなり冷え込んでいたが、勝利を待ち望むサポーターの声援は最後まで熱かった。熊本とはリーグ戦8勝2分け。無敗の「お得意様」を相手に、ホーム2連勝を目指した。チームは前半からハイプレスを徹底し、攻撃を仕掛けるも、熊本の堅守の前に苦戦。攻撃の糸口を見いだせず、0-0で前半を折り返した。後半はセットプレーなどで再三チャンスをつくるも、1点が遠かった。森山佳郎監督(56)は「後半はシュート前のシーンをつくれたが、ネットは揺らせなかった。次節に向けて、攻撃にエネルギーを注ぎたい」と前を向いた。

チームは着実に進化を遂げている。昨季は61失点。大きな課題のひとつであった守備がこれで3試合連続無失点となった。昨季の1試合平均失点数「1・45」に対し、今季はこれまで「0・4」。森山監督は「(熊本は)4-4-2(仙台のフォーメーション)の泣きどころをついてきて、難しい守備だったが、選手間でコミュニケーションを図ってくれた」と称賛。絶大な信頼を寄せる小出と菅田を中心に堅守を貫いた。「チームとして『失点してはいけない』という意識が、昨年より高くなっているし、失点以前のシュートに対する危機感がある」と小出。意識改革が実を結びはじめている。

次節は24日、ホームに徳島を迎え撃つ。小出は「『相手より早く戻る』や『ギリギリまで体を張る』ことは、当たり前のようで難しいが、徹底して良い結果につなげたい」と意気込んだ。ユアスタの大声援を武器に勝利を飾り、「無敗記録」から「連勝記録」の出発点に立つ。【木村有優】