2万人の声援に負けない声で、鳥栖が1カ月ぶりの勝利をつかむ。チームは18日、本拠地ベストアメニティスタジアムで練習を行った。ホーム熊本戦(20日午後3時)は観客2万人突破を目指し、冠スポンサーのブリヂストンやクラブが動員作戦を展開中。選手はお互いの声が聞こえない状態も想定して練習を進めた。

 ここ4試合で3分け1敗の鳥栖は、3位から6位まで後退した。主将のMF高橋義希(23)は「相手ペースの時間帯が長く、ボールの失い方が悪い。お客さんが多いと、声が聞こえないこともあるので、連係に気をつけたい」と話した。守備のリーダー、DF飯尾和也(28)は「伝えようとする気持ちがあれば、声は届く。いつも通り、近くにいる人間を通して指示するだけ」と平常心だ。鳥栖のJ2ホーム最多観客は、06年11月12日湘南戦の1万8231人。熊本戦は前売り段階で、この数を超えている。岸野靖之監督(50)は「熊本に引き分け以下なら、昇格は現実的に厳しくなる。正念場に、多くの声援は心強い。負ければ、お客さんも、今シーズン(の昇格)も失う覚悟で臨む」と、大声援を再浮上の武器にするつもりだ。【佐藤千晶】