故障離脱していた浦和MF三都主アレサンドロ(31)が9日、全体練習に復帰した。さいたま市内でのチーム練習に参加し、約1時間半の全メニューを消化。14日のホーム開幕戦東京戦で戦列復帰する可能性もある。昨年6月28日柏戦で左足直筋腱(けん)を断裂して手術。その後も度重なるケガに悩まされてきた。昨季は出場時間わずか15分に終わった男が、約9カ月ぶりにJのピッチに戻る日が近づいてきた。

 三都主が帰ってきた。8対8のミニゲームでは精力的に動き回った。「みんなと練習ができたのが、一番うれしい。サッカーをするのが一番楽しい」。喜びをかみしめた。

 苦悩の1年だった。ザルツブルクから昨季浦和に復帰も開幕前に負傷。やっと出場した6月の柏戦で、左足に重傷を負った。昨季のリーグ戦出場はこの15分間だけ。今季に向けてリハビリを続けたが、自主トレ中に右ふくらはぎを痛め、その後左のふくらはぎにも違和感を覚えた。今年2月7日の明大との練習試合で実戦復帰予定も、当日午前の練習で右太もも裏を痛めて断念した。この日がそれ以来のチーム合流だった。

 既に足の状態は、練習できる状態だった。だが、故障が相次いだことを考慮し、合流を早めなかった。当初の診断通りに約1カ月をかけ、リスクの少ない調整を選んだ。この日午前の検査でゴーサインが出て、三都主は「良いリハビリができた」と振り返った。

 チームは7日の鹿島戦で4バックが崩壊し、カウンターから2失点した。攻撃でも苦しんだ。さらに鹿島戦先発11人のうち左利きはいない。攻撃力が持ち味のレフティー三都主は、日本代表を含めて経験豊富。MF平川は「チームの競争も激しくなるし、何か起こしてくれるような感じがある」と起爆剤になってくれることを期待した。

 14日にはホーム開幕戦の東京戦。三都主は「(出場は)監督が決めること。練習をこなして、土曜日にどうなっているか」と慎重だが、フィンケ監督は「(三都主復帰は)チームにとって非常にすばらしい刺激を与えてくれると思う」と以前から信頼を寄せている。負傷した昨年6月28日以来259日ぶりのJピッチに三都主が立てば、きっとチームに大きな力を与えるはずだ。【今井恵太】