“けんかサッカー”で1位通過だ!

 G大阪は4日、6日のACL1次リーグ山東戦(アウェー)に向けて中国へ出発した。試合会場は日本代表MF遠藤保仁(29)が、04年アジア杯準決勝バーレーン戦で一発退場を食らった場所。既に決勝トーナメント(T)進出を決めているが、遠藤は「激しくこられたら、こっちも激しくいく」と闘志満々。F組首位確定をかけ、因縁の地で暴れる。

 いつもクールな遠藤が、闘志をむき出しにした。借りを返したい過去がある。中国で開催された04年のアジア杯準決勝バーレーン戦。先発出場したが、一発退場となった苦い経験がある。ACL山東戦はその同じ試合会場。「多少、向こうに有利な判定になると思う。(中国の)日本への反発力はすごい。でも、激しくこられたら、こっちも激しくいく」と宣戦布告した。

 試合会場のある山東省済南市は中国の中でも特に反日感情の強い地域という。5年前のアジア杯と同じように、日本のビッグクラブであるG大阪に大ブーイングが浴びせられることも予想される。西野監督は「山東のラフプレーにも注意しないといけない」と警戒する。地元の大声援を受け、悪質なファウルが見過ごされてしまうかもしれない。だが、遠藤は「あわてたり、挑発に乗ったりはしてはだめ。激しくプレーしながら、平常心を保ちたい」と言い聞かせた。

 こぼれ球は激しく競り合うつもりだが、得意の華麗なパス回しは控える作戦だ。相手にあえて攻撃させながら冷静にカウンターを狙う。アウェーでの戦い方に徹して、勝機を見いだす。「ホームと同じ戦い方は考えていない。攻めてくる相手にはスキができる」と分析した。

 首位突破すれば、一発勝負の決勝トーナメント初戦(6月24日)をホームで開催できるメリットがある。既に1次リーグ突破は決めているが、引き分け以上でF組1位が確定。「(1次リーグ)最後のFCソウル戦(20日、万博)を消化試合にしたい。引き分けでも1位になる。ここで(首位突破を)決めてしまいたい。しっかり戦えば、問題ない」。因縁の地で遠藤が闘将になり、G大阪がアジア王者であることを証明してみせる。【奈島宏樹】