<J1:浦和4-1山形>◇第25節◇13日◇埼玉

 浦和が、ホームで山形に4-1で勝利し、7月18日の大分戦から続いていた連敗を「7」で止めた。前半4分、FWエスクデロ・セルヒオ(21)が、相手のクリアミスを拾って先制弾。連敗中は後手を踏む展開が続き、この日はチームにとって約2カ月ぶりの先制点を奪ったことで、優勢に試合を進めた。リーグ中断期間に行った決起集会にはスタッフ、選手が集まり、勝利への意識を高めていたことも実った。次戦は19日に2位川崎Fと対戦する。

 やっと勝てた。前半4分、FWエスクデロは相手DFのクリアミスを拾い、内側に切れ込む。倒れながら放った左足シュートは、GKの手をすりぬけ、ゴールに吸い込まれた。「あそこで取ってくれてだいぶ楽になった」(DF坪井)。7連敗中は、先制を許しては追いかける展開が続いた。焦っては追加点を決められる悪循環だっただけに、待ちに待った先制ゴールだった。その後、3点を加えてリーグ戦今季チーム最多4点を奪って山形を下し、連敗を「7」で止めた。

 エスクデロは、8月29日の神戸戦で左足首をねんざ。11日の練習で復帰したばかりだったが、FW高原が試合当日に体調を崩したことで出番がきた。左太ももの痛みで、前半33分に退いたが「(先発に)驚きはなかった。シュートを打つということが点につながった」と胸を張った。これを口火に同21分にPKで加点。後半30分にDF細貝が3点目を決めると、落ち着きなくベンチの前を右往左往していたフィンケ監督も、両手を挙げて歓喜した。

 4日には、主将のMF鈴木らが音頭を取り、決起集会を開いた。監督・コーチも出席。しゃぶしゃぶを食べながら、この日に向けて士気を高めた。8月31日からオランダに遠征していた日本代表GK都築は「(遠征前より)みんなの勝ちたいという気持ちがひしひしと伝わってきた」と、帰国した10日に変化を感じた。クラブスタッフは、関西遠征のたびに蹴鞠(けまり)で有名な京都の白峯神社を訪れ、勝利を祈願していた。

 だが、完全にトンネルを抜け出したわけでもない。フィンケ監督は「結果ほど楽な試合ではなかった」と言う。次の相手は、ホームで2-3と逆転負けした2位川崎F。DF闘莉王は「まだやろうとしてるサッカーができていない。次で自分たちの力が分かるんじゃない」。ここで真価が問われる。【今井恵太】