神戸の元日本代表MF大久保嘉人(28)が29日、約2カ月半ぶりに実戦復帰した。神戸・いぶきの森練習場で行われた岐阜との練習試合に左MFで先発。左ふくらはぎ肉離れで昨年11月14日、新潟戦以来の実戦は30分間の出場で“復活”をアピールした。

 交代直前の前半30分。内に走り込んでMF朴からのパスを受けシュート。相手DFに倒されゴールはならなかったがフォローしていたFW都倉が押し込み同点弾を演出した。途中で左右のポジショニングを変え、積極的に攻め上がるなど“復活”を印象づけた。今季初戦となる試合も2-1で快勝。

 大久保は「この時期にフルでグラウンド使っての試合はキツかったけどね。楽しくできたし(ケガした足も)気にはならなかったですね」と笑みを浮かべた。

 エースの復活に和田監督も一安心だ。「久々の試合やったけどワイドに動いて積極的にやってくれてたし、心配してない」と太鼓判を押し「彼には前の(FW、MFの)4ポジションどこでもやれるように調整しててくれ、と言ってある」と指令を出している。大久保も「どこでも対応できるようにしてあるんで。試合中でも状況によってポジションチェンジしなきゃいけないでしょ」と軽く言ってのけた。

 昨季、大久保は開幕当初から度重なるケガに泣かされて、最終戦も見守ることしかできなかった。「今日はまだ手応えを感じる、というほどじゃないけどね。100%でもないし」。言葉は控えめだが、悔しさをバネに変幻自在のエースが開幕星をねらう。【土谷美樹】