新人が「地獄走」をいきなり突破した!

 仙台が30日、鹿児島・さつま町でキャンプ6日目を迎え、これまでで一番きついメニューをこなした。約3分で1キロを走るメニューを7セット行い、流通経大から入団したばかりのFW武藤雄樹(22)がすべて時間内で突破。驚異のスタミナを持った頼もしいルーキーに手倉森誠監督(43)も目を細めた。

 深夜の日本代表戦は見なかった。アジア杯4度目優勝の歓喜より、まずは自分のアピール-。武藤は「地獄走」に備えるため早めに就寝した。

 グラウンド3周(約1キロ)をタイム設定して走るメニューだ。まずは1周の設定を1分20秒とし3周する。これを1セット。次に1分15秒×3周×2セット、1分10秒×3周×2セット、1分5秒×3周×2セットと徐々にペースを上げていく。昨年の宮崎・延岡キャンプでは全タイム設定をクリアした選手はいなかった。だがそれを新人がやってのけた。

 「正直アピールしないとと思っていた」と武藤。さらに「流通経大では1分5秒ペースで6セットやってた。それよりは楽でした」と余裕の表情だ。

 柳沢、マルキーニョスが加入しFWのポジション争いが激化。それでも「プラスに考えてます。いろいろと盗めれば」と前向きだ。昔テレビで見てた柳沢について「一緒にやれるなんて本当にすごいこと。母からサインを頼まれました。まだ頼めてないですけど」とファン目線だ。

 チームにも慣れてきた。同部屋はDF朴。毎日サッカーのテレビゲーム「ウイニングイレブン」で対戦。卓球場ではMF関口とやり合い「ほぼ僕が勝ってます。悔しいからでしょうか毎日電話で誘われます」となじんでいる。理想の選手は広島FW佐藤。1年目からJ1舞台に立つことが目標だ。【三須一紀】