仙台が宮崎・延岡キャンプで11日、今季初の練習試合を行った。J2草津を相手に1試合目は4-0(35分ハーフ)と圧勝。MF太田吉彰(27)が2得点1アシストでオープニングゲームに勝ち星をもたらした。来月5日の開幕戦前後に第1子が誕生予定で、家族が増える記念すべき年に最高のスタートを切った。

 太田が今シーズン第1号ゴールを飾った。前半24分、相手陣左サイドからのスローインをFW赤嶺が受け、MF関口にパス。そして関口が鋭いドリブルでゴール前に進入する。相手DF陣を引き寄せたところで、右サイドからフリーで走り込んでいた太田にラストパスを出すと、それを冷静に右足で押し込んだ。

 後半26分は、右サイドから正確なクロスでDF渡辺の3点目となるヘッドをアシスト。同35分にはドリブル突破から本人のバロメーターという右45度のシュートでダメ押しの4点目をもぎ取った。「点も取って、アシストもする。それが理想のプレーヤー」と納得の“開幕戦”となった。同20分にはアシストにはならなかったものの、右サイドからクロスを上げ、こぼれ球をFW赤嶺が決めるなど全得点に絡む活躍だった。

 前日のミーティングで世界トップクラブのベストプレーを集めたDVDを見た。「DVDのようなプレーをイメージし、練習試合でやってみろと話した」と手倉森監督。前線の連係はスムーズで「太田と関口のハードワークとスピードでリーグ戦でも得点してほしい」と期待を寄せた。

 磐田から新加入した昨季は途中出場が多く、リーグ無得点に終わった太田。今季も10人の補強で競争は激しいが「実績のある選手がたくさんいるが、僕自身も実績では負けていない」と断言。開幕戦の来月5日前後には娘が誕生する予定で、今季に懸ける思いは人一倍強い。06年には9得点を挙げた実力者が、再び開花を目指す。【三須一紀】