Jリーグが、来季から2ステージ(S)制を復活させる可能性が出てきた。現在、戦略検討会議で協議しており、18日に東京・文京区のJFAハウスで開かれた同分科会でも議論した。年間2度の優勝争いやチャンピオンシップ開催による注目度アップと集客増をにらんだもので、復活すれば04年度以来10年ぶりとなる。93年に2S制でスタートし、微調整を繰り返しながら成長してきたJリーグが、初心に戻り、さらなる活性化を目指す。

 2S制復活へ、Jリーグが本格的な検討に入った。今年初めから戦略検討会議で話し合ってきたが、ここへきて各クラブとの意見交換に着手。大東和美チェアマンは「まだ実行の段階ではないが、会議の中でそういう意見は出ているとの報告は受けています」と、言葉を選びながら慎重に話した。

 Jリーグは93年に2S制でスタートした。勝ち点制が導入された95年度から10年間、各ステージ優勝チームによるチャンピオンシップは7度行われたが、いずれも年間勝ち点1位チームが優勝した例はない。00年度は年間で最も勝ち点が多かった柏が、ステージ優勝できなかったため、チャンピオンシップにも出場できないなど「公平性に欠く」との意見もあった。

 J1が18チームになった05年度から1シーズン制が完全に定着しているが、それに伴い不都合なことも起きている。優勝争いや残留争いのチーム以外、多くのチームがシーズン終盤に注目されないなど、集客などに影響が出ているのが事実だ。J2は昨季から、その対策として3~6位によるプレーオフを導入し、最終節まで注目されるなど一定の成果を上げた。

 2S制関連の会議では「世界の流れに逆行する」などの意見も出ている。当然、反対意見もあるため、クラブやスポンサー、関連会社、メディアなど、多方面からの意見を集めている。Jリーグは常に「わがクラブを応援するサポーターの目線」をベースに物事を決めている。それだけに年間通してサポーターの興味を引きつける措置として、2S制復活は前向きに検討されているようだ。

 Jリーグは5月15日に20歳の誕生日を迎える。この間、大きな成功も収め、ときには試行錯誤も繰り返しながら成長してきた。より魅力的なリーグづくりへ、試行錯誤と挑戦は続く。