<J1:名古屋2-0磐田>◇第15節◇23日◇瑞穂陸

 名古屋のロンドン五輪代表候補FW永井謙佑(23)が“御前弾”で猛アピールした。視察に訪れた同代表の関塚監督の目の前で決めた。後半1分。一瞬のスピードで相手DFラインの裏に抜け出し左足で追加点。前節16日鹿島戦(カシマ)での2得点に続き、2試合連続弾。ここぞの場面で決めてくれるストライカーは「必殺仕事人になりました」とニヤリ。本当に頼りになる。

 五輪代表での立場がサブだなんて、信じられない。ストイコビッチ監督は「スタジアムのすべての観客が永井がどう走り、どう決めるかに期待を寄せている」と絶賛。同僚MF小川も「よーいドンで相手に勝てるスピードがある。その使い方、点の取り方をつかんだみたい」と証言する。

 関塚ジャパンでは立ち上げ時から絶対的エースだった。ここまで来て軽々しく「アピール」とは口にしない。黙ってゴールという結果で示し続ける。内助の功も後押し。昨年9月に結婚した新妻がオフは節制のための食事メニューを作り、身体を引き締めた。シーズン中の現在はストレスがたまらないよう、比較的メニューに余裕を持たせた構成で体調管理してくれる。

 運命の発表は7月2日。関塚監督は「何もありません。コメントはありません」と帰路についたが、この男を選外にする理由は見当たらない。【八反誠】