<J1:名古屋0-5G大阪>◇第22節◇18日◇豊田ス

 G大阪が、降格圏脱出へ今季最多となる5ゴールをあげ、名古屋に大勝した。前半38分にコーナーキックからFWレアンドロが押し込んで先制し、43分にMF遠藤のPKで加点。退場者を出した相手に攻勢を強め、後半にはDF今野泰幸(29)、FW佐藤、パウリーニョの得点で突き放した。名古屋は守備が崩れて完敗。永井ら攻撃陣も不発だった。

 低迷するG大阪が大勝し、順位を1つ上げ16位とした。日本代表ザッケローニ監督の御前試合で、代表勢が格の違いを見せた。1-0の前半43分に、MF遠藤が確実にPKを決めてリードを広げる。相手は名手・楢崎だったが「蹴った瞬間に入ったかなと思った」と落ち着き払っていた。PKにつながるプレーで名古屋DF増川が1発退場。数的優位に立って後半はゴールラッシュ。3点を加えて圧倒した。

 守備の人にもゴールが生まれた。後半23分には遠藤のクロスからDF今野がヘディングシュート。移籍後初ゴールで、ピッチ上に歓喜の輪ができた。試合前にはザッケローニ監督と対面した。「緊張するので、会いたくなかった」と笑わせたが、見事なゴールだった。出場停止で9月のW杯アジア最終予選イラク戦には出られないが、攻守にさすがの働き。存在をアピールした。

 これでリーグ4戦負けなし。8月に入り3戦で10得点、夏場を迎え遅まきながら上昇カーブを描きだした。主軸の2人とも手応えを感じている。遠藤は「ガンバらしいサッカーが、だいぶできてきている。これを続けていきたい」。今野も「これがガンバのサッカーだと思う。(昨季まで東京で相手として)やっていてこういう感じだった」と口にした。

 序盤は守備崩壊が続き、泥沼にはまりこんだ。相手が10人になったことを差し引いても、完封勝利は評価できる。今野は「ゼロに抑えられたのは次につながる」。まず降格圏脱出。そして1つでも上をうかがう。【八反誠】

 ◆最近3年でJ1残留を瀬戸際で決めた15位チームの勝ち点は、09年山形「39」、10年神戸「38」、11年浦和「36」。G大阪はこの日で勝ち点21とし、残り12試合で6勝分の勝ち点18を稼げば同39となり、残留の目安に届く。18位札幌は同10で残留が厳しく、現状では14位C大阪、15位大宮、16位G大阪、17位新潟の4チームが残留圏の残り2席を争う。