<J1:鹿島1-2鳥栖>◇第32節◇23日◇カシマ

 鹿島は鳥栖に敗れ、優勝は絶望的になった。後半19分に失点。DF青木のゴールで追いついたが、後半ロスタイムにカウンターから決勝弾を許し万事休す。首位横浜との勝ち点差は6に開いた。07年から毎年獲得していた国内3大タイトルに手が届かず、7年ぶりの無冠が決定的となった。

 エースFW大迫勇也(23)は、不発に終わった。2トップの一角で出場し、前半22分に角度のない所から放った左足シュートはゴールをかすめた。同24、35、43分にはいずれもゴール右隅を狙ったが、相手GKの好セーブに阻まれた。日本代表の欧州遠征で得た自信を、Jリーグでの結果につなげることができなかった。

 試合後、テレビ取材にだけ応じて「チャンスは作れた。あとは決めるだけ。点が欲しい時に決めきれる選手になりたい。今日は本当にチームに申し訳なかった」と悔しさをにじませ、足早にスタジアムを後にした。セレーゾ監督は「1失点目の後にあわててしまい、同点後は前がかりになりカウンターを食らってしまった。痛い敗戦には間違いないが、1度休んでリフレッシュしなければ」と敗因を分析し、気持ちを切り替えた。

 FKから青木のゴールをアシストしたMF小笠原が史上12人目の400試合出場を達成したものの、勝利を飾れず、5位に後退した。青木は「勝ちを目指してやるということは変わらない。優勝は遠のいたが、ACLを目標にして最後までしっかり戦えたら」と前を向いた。残る可能性に、全力を注ぐしかない。【桑原亮】