横浜の元日本代表MF中村俊輔(36)が11日、W杯ブラジル大会1次リーグで敗退した日本代表に提言した。長く代表の象徴として君臨し海外でのプレー経験も豊富な「10番」が唱える強化策は、日本の財産をフル活用し、部門別の細かい指導者を置くこと。自ら“練習台”になっても構わないという覚悟も示した。

 台風一過。立っているだけで汗の噴き出す暑さの中、みっちり居残り練習を終えた中村がクラブハウス内で語り出した。「4年後のW杯はどこなの?」こう切り出すと、次々と愛する日本代表を強くするプランが出てきた。

 「オレはFKを蹴るコーチをする(笑い)。GKがギリギリ取れるボールを蹴って、自信をつけてもらうこともできるしね」。冗談めかしたが真意はポジションごとに経験を持つ代表OBをコーチとして呼ぶプラン。「例えばDFが井原さん(正巳=元日本代表DF)とかと話ができたら全然違う。アジア大会の時、韓国に(コーチで)洪明甫さんがいて、いいなぁと思った。GKコーチがいるんだから、他のコーチがいてもいいんじゃない?」。

 その上で将来的な日本代表監督についても「日本人がいいと思う。戦争ではないけど、あれだけの戦い。通訳を通すのではなく母国語の指示じゃないと戦う気持ちっていうのは、しっかりと伝わらないと思う」と持論を述べた。

 代表は引退したが、日の丸を背負っていなくても中村にしかできないことは幾つもある。日本代表への思いは今も変わらない。その一端があふれ出た。【八反誠】