清水の新体制発表記者会見が17日、静岡市内で行われた。クラブ史上初となる約200人のサポーターを招待した会見には新加入8選手が出席した。ユースからトップ昇格を果たしたMF宮本航汰(18)MF水谷拓磨(18)FW北川航也(18)の3人は力強く所信表明。次代のクラブを担う「新・清水三羽ガラス」として、タイトル奪還に向けて全力を注ぐ構えだ。チームは今日18日から始動する。

 清水の次世代を担う3人の決意表明は力強く、表情は自信たっぷりだった。ユースからトップ昇格したMF宮本、MF水谷、FW北川は堂々と登壇し、集まった約200人のサポーターの前で今季にかける意気込みを語った。

 宮本

 プロの厳しさと楽しさを味わいながら、愛されるような選手を目指したい。

 水谷

 攻守の切り替えの早さを生かして、エスパルスに貢献したい。

 北川

 まだスタートラインに立っただけ。目に見える結果を残したい。

 3人は小学校時代に県トレセンで初めてチームメートとなると、中、高6年間はクラブの下部組織でそろってプレー。プロ生活1年目を送る寮では同じ階の部屋で寝食を共にするという。背番号も水谷が34、宮本が35、北川が36と連番になることも決まった。会見後には新ユニホームに袖を通し、サポーターと記念撮影した。昨季、トップデビューを果たした水谷は「ユースの時と思いが全然違う。しっかりやらなければいけない」と、生え抜き選手としての思いを代弁した。

 昨季、チームはやっとのことでJ1残留を決めた。大榎克己監督(49)は「今季は優勝争いをする」と宣言。ルーキーイヤーとなる3人もその思いは強い。

 宮本

 自分は下手くそなので練習から努力して、1年目から試合に絡んでいきたい。

 水谷

 今はワクワクしている。去年の経験を生かしながら、プレーしたい。

 北川

 FWなので得点に関わるプレーで勝利に貢献したい。

 幼いころから同じ夢を抱き、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。「3人でエスパルスを強くしたい」と口をそろえる若武者たちはタイトル奪還を目指して全力を尽くす。【神谷亮磨】

 ◆清水三羽ガラス

 清水東サッカー部の同期だった大榎克己(現清水監督)堀池巧(現サッカー解説者)長谷川健太(現G大阪監督)の3人。82年度全国高校サッカー選手権で優勝し、翌83年度は準優勝。高校卒業後は、大榎監督は早大を経て、ヤマハ(現磐田)へ入団。堀池氏は順大を経て読売クラブ(現東京V)、長谷川監督は筑波大を経て日産(現横浜)へ入団。Jリーグ開幕前の92年に3人が清水に集結。J開幕の93年はそろって日本代表に選出され、チームでも主力として活躍し、クラブ草創期を支えた。

 ◆宮本航汰(みやもと・こうた)1996年(平8)6月19日、静岡市生まれ。三保FC-清水ジュニアユース(JY)-清水ユース(Y)。176センチ、71キロ。

 ◆水谷拓磨(みずたに・たくま)1996年(平8)4月24日、静岡市生まれ。城北SSS-清水JY-清水Y。162センチ、61キロ。J1通算3試合出場。

 ◆北川航也(きたがわ・こうや)1996年(平8)7月26日、静岡市生まれ。ピュアSC-清水

 JY-清水Y。178センチ、75キロ。