チャンピオンズリーグ初出場を待ち望んでいたレスター(イングランド)の日本代表FW岡崎慎司(30)がまさかのベンチ外となった。クラブ・ブリュージュ(ベルギー)戦の遠征メンバーに入りながら、当日のミーティングで知らされた。岡崎は悔しさをかみしめながらも「気持ちを落とすのが一番もったいない」と次を見据えた。ドルトムント香川真司(27)、セビリア清武弘嗣(26)も出番なし。日本人選手にとって不完全燃焼の1日となった。
楽しいはずの欧州CLは、ピッチに立っていればこそだった。スタンドから仲間のプレーを見つめた岡崎の感想は「全然楽しくねえなぁ。やっぱり、あそこにいるから楽しいんだと思う」。試合は、昨季PFA(イングランド・プロサッカー選手協会)年間最優秀選手マレズが2点を挙げるなど3-0で快勝。複雑な思いを残した遠征となった。
岡崎はここまで公式戦全5試合に出場。うち4戦で先発した。だがこの日は試合2時間前のミーティングでベンチ外を告げられた。
「準備してましたし、出たいという強い気持ちがあった。ここまで一気に突き落とされたことはなかった。Jリーグ時代、トップで先発して、次の日サテライトのサブになっている感覚」と落胆は隠せなかった。
それでもベンチを外れた理由は理解している。ウジョアやムサら途中出場に向くFWをベンチに入れたいというラニエリ監督の意向と、同監督との少しの「意識のズレ」だ。
岡崎は10日の国内リーグ・リバプール戦で珍しくロングシュートを放った。だが選手全員が集まった場所で監督から「お前は打つな。昨季、お前はあそこでパスを出していた。余計なことはしなかった」という意味の言葉を受けたという。
昨季の貢献を認めた上で、現状維持で良いという指揮官だが、本人の気持ちは違った。
「『現状維持で良いから、いらんことをするな』みたいな感じじゃないですか。でも俺はもっと上に行きたい。監督に歯向かってバンバン打つとかじゃなく、自分のリズムを取り戻すためにシュートを打っていかなあかん」
明日17日にはプレミアリーグ・バーンリー戦が待っている。岡崎は「監督が求めることをやりながら、自分が求めることをやっていく。使ってくれたら、俺は点取りますよというのがFWだと思う。そこを頑張りたい」と前を向いた。