スペインはイスコの2ゴール、モラタのゴールで3-0とイタリアに快勝した。スペインは勝ち点を19に伸ばし、2位イタリアと3差、11大会連続の本戦出場に大きな1歩を踏んだ。

 FWビリャの3年ぶりの代表復帰、レアル・マドリードの本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのバルセロナDFピケへのブーイングと、話題に事欠かなかったスペイン-イタリア戦の主役は3トップの真ん中でプレーをしたイスコだった。

 前半13分、ゴール中央やや左の位置でFKのチャンスを得ると、きれいな弧を描いたシュートでネットを揺らした。名手ブフォンに止めることを許さなかった。

 さらに40分、ペナルティーエリア手前でボールを受けるとDF1人を外して左足を振り抜き、またもやぶフォンの手の届かないゴール右隅へとシュートを突き刺した。普段は白に染められるサンティアゴ・ベルナベウもこの日は代表カラーの赤に染められたが、Rマドリードを引っ張る背番号22番の好パフォーマンスに大きく沸いた。

 得点だけでなく、イスコはその魔法のようなボールタッチでスタンドを何度も沸かせ、カテナチオと呼ばれるイタリア代表のかんぬきをいとも簡単に外した。

 試合は、Rマドリードからチェルシーへと移籍したモラタが、後半32分にカウンターからセルヒオ・ラモスのラストパスを押し込んで完勝した。

 イスコは「W杯に行くために残っている戦いの中で一番重要な試合だったが、スペインにとってすべてがうまくいった夜になってくれたし、我々は正当な勝者」「システムよりも試合に先発で出た選手、途中出場をした選手のパフォーマンスがよかった。スペインは1つにまとまったチームだし、そのことはずっと証明してきている」「2本シュートを打って2点を決められた。ベルナベウでのイタリア戦という特別な夜にチームの力になれたことを本当に満足している」と話した。

 ロペテギ監督は「選手が見せてくれたスピリッツは素晴らしいものだったし、苦しい状況でもしっかりと解決するすべをしっていた。完璧というものはないが、今日のプレーは勝ち点3にふさわしいものだ。まだW杯が決まったわけではない。メンタルと働きがすべてだ。選手が勝ったのではなく、偉大なチームが勝利をした」「イスコのパフォーマンスは最高だった。試合の均衡を崩してくれた。だが、得点だけが良かったわけじゃない。試合中ずっとボールを求めていたし、ボールのないところでの動きも素晴らしかった。偉大な選手だ。ここ数年で本当に大きく成長した」と話した。(山本孔一通信員)