日本代表MF乾貴士が所属するアラベスはアウェーでウエスカに3-1で勝利した。

乾はフル出場したものの3戦連続のゴールはなかった。

早い時間に試合は動いた。8分、エリア内でチモ・ナバーロがフリーでシュートを放ち、ウエスカGKサンタマリアが好セーブを見せた直後、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による判定に。映像を見た結果、ウエスカDFにハンドがあったことを主審が確認し、アラベスにPKが与えられる。

このチャンスを11分、カジェリが落ち着いてゴールしアラベスが先制に成功。だが、残留争いをしているウエスカは3分後にチリ・アビラがPKを決め同点に。その後はお互いにファウルを繰り返しプレーが止まる展開で前半を終了する。

後半になってもファウルでプレーが止まる流れは変わらない。

スペイン北部の冬季オリンピック(五輪)候補の街ウエスかは暖かく、陽気に包まれ、時間の経過とともに選手たちに疲労がたまっていく。

そんな状況で、アラベスが試合終盤に爆発する。80分、左CKをマリパンが頭で流し、フリーだったグイデッティが無人のゴールに流し込み逆転。6分後にワカソのクロスをカジェリが上手くトラップを処理し、GKとの1対1を豪快に叩き込み試合を決定づけた。

乾は日本代表合流前最後の試合だった。攻撃でここ2試合のようにゴールに絡むことはできなかったが、チーム11人の1人としてしっかりとした戦いをしていた。

味方FWに極上のスルーパスを供給したり、2人に囲まれながら抜き去るなど、らしさあふれるプレーを見せた。前節に続きフル出場を果たしたことは、攻撃の選手だが守備の能力の高さをアベラルドが認めた試合だったといえる。(山本孔一通信員)